酒場 尾形亀之助
俺は酔つてゐて
盃のふちのまはりを踊り狂ふ
やせた黒いかげを見てゐる
黒いかげは
いくつもいくつも
俺のこはばつた顏にねばりつき
たわいもない俺の顏を見てゐる
部屋の隅ずみは暗く
大きな時計を思ひつめ
夜明けのカフエーに一人ゐてさびしい
*
(詩集左翼戦線 大正十二年版 大正13(1924)年6月発行)
« 松の木の憂鬱 尾形亀之助 | トップページ | 春 尾形亀之助 »
俺は酔つてゐて
盃のふちのまはりを踊り狂ふ
やせた黒いかげを見てゐる
黒いかげは
いくつもいくつも
俺のこはばつた顏にねばりつき
たわいもない俺の顏を見てゐる
部屋の隅ずみは暗く
大きな時計を思ひつめ
夜明けのカフエーに一人ゐてさびしい
*
(詩集左翼戦線 大正十二年版 大正13(1924)年6月発行)