曇天の三月 尾形亀之助
三月の空は葛湯のやうに白つぽい
庭を見てゐて
ステイシヨンを思ひ出してゐる
ぶるきの旗のやうな平らかさに
顔をおしあてゝゐる
*
(文章倶楽部 昭和2(1927)年4月発行)
[やぶちゃん注:「ぶるき」は「ブリキ」(オランダ語“blik”)か。傍点「ヽ」は下線に代えた。]
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三月の空は葛湯のやうに白つぽい
庭を見てゐて
ステイシヨンを思ひ出してゐる
ぶるきの旗のやうな平らかさに
顔をおしあてゝゐる
*
(文章倶楽部 昭和2(1927)年4月発行)
[やぶちゃん注:「ぶるき」は「ブリキ」(オランダ語“blik”)か。傍点「ヽ」は下線に代えた。]