南方熊楠 奇異の神罰 附やぶちゃん強力注
南方熊楠「奇異の神罰」を強力な注を附して「やぶちゃんの電子テクスト:小説・評論・随筆篇」に公開した。今回の注は半端じゃない。但し、内容が内容だけに自己責任でお読み戴きたい、とここでも再度、断っておく。
それにしても――僕は上代が苦手なのだが、何だか訳しているうちに、やっぱり上代はよく言われるように、直くたくましく、あっけらかんとしていいもんだなあ、と思うようになった(今更、遅すぎるが)――
それにしても――今朝は3時半に目覚めてしまった。若い頃は低血圧(今も血圧は低いが)と二日酔(これも変わらぬが)で、如何にも寝覚めが悪かったのに。早起きに如何にも「老い」を感じるのである(さりながら、昔から『若くありたい』とは一度も思ったことはないのだが)――
それにしても――厳密に言えば『若くありたい』とは思わなかったものの、歳相応に見られたいとは思ったものだ。何せ、二十歳になる前に、知人に連れられて行った青山の高級バーで、ホステスに34、5と呼ばれて以来、44の時に担任した教え子たちと飲んで、先生はもう54、5になられますか、と言われるまで、無敵の老態を誇って来た。この「54、5事件」で一念発起し、歳相応に見られたい症候群を発症した結果、最も容易な方途として、今に至るまで、髪を染め続けている。実際にはもうかなり白い。幸い、髪は多過ぎるほどあるので、どうも最近は歳不相応攻撃は受けなくなった(何のことはない、魂の現存在年齢と実年齢と肉体の実年齢が漸く一致し出したに過ぎないのであるが)――