やぶちゃん版芥川龍之介全句集 書簡俳句 改訂終了
岩波新全集の縦覧により、「やぶちゃん版芥川龍之介句集四 続 書簡俳句 附辞世」に新発見句3句を掲載、十数箇所の注の追加を行った。
これをもって「やぶちゃん版芥川龍之介全句集」書簡俳句部分の新全集書簡Ⅰ~Ⅳ縦覧による全面改訂を全て終了した。
僕は今、芥川龍之介の、現在知り得るところの全句に遭遇している実感がある。
この世に今現在、僕のページを超える「芥川龍之介全句集」は存在しないという自信はある。
それがまた、僕の哀しい自慰行為でしかなく、いずれまた誰かによって容易に越えられるであろうことも事実ではある。
しかし、僕は今、俳人芥川龍之介という、否、あの芥川龍之介という僕の愛する彼のそばに、僕一人だけで近侍しているという痺れる様な贅沢な喜びを味わっていることも事実なのである。
今日、僕はまたしても命拾いをした。
その、僕が僕に与える褒美――それが、これであった――
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【2009年3月13日】と昨日書いたのだが、今日、職場に着いたところが、司書の先生が「先生が首を長くしてお待ちでした芥川龍之介全集の第二十四巻がやっと入架しました。」と手ずから、僕の机まで持ってきてくれたのだ。そうしてそれを開いて見て(私は新全集の第二十四巻の実物を手にしたのは今日が初めてである。以前にもお話した通り、僕はこの新字採用の全集を認めないので、旧全集の雑纂に相当する4冊しか所持していない)、驚天動地! 青天霹靂! 縦覧したところ、俳句が35句も掲載されている(新発見句も相当数ある模様)。これをし遂げねば、上(かみ)のような傲岸不遜な言葉も、ちゃんちゃらおかしいことになる。しかし、これが確かに最後である。これよりゆっくりと着実に、し遂げよう。
ちなみにこの巻の月報の最後に、本年、岩波文庫から加藤郁乎編になる「芥川龍之介俳句集」が刊行予定であるということも知った。さても、興味津々! 僕の「やぶちゃん版芥川龍之介全句集」と読み比べ!