芥川龍之介句集追加 新発見句7句
岩波新全集の縦覧により、「やぶちゃん版芥川龍之介句集三 書簡俳句」に大正10(1921)年七月二十一日の西村(齋藤)貞吉宛(岩波版新全集新書簡番号996)から新発見句を掲載した。
秋立つや金剛山に雲の無し
八道の山は禿げたり今朝の秋
芙蓉所々昌德宮の月夜かな
七夕は高麗の女も祭るべし
八道の新酒に醉つて歸けむ
妓生の落とす玉釵やそぞろ寒
これらは朝鮮での嘱目吟であるが、この新全集発表以前には知られていなかった。更に新発見一句。
さ庭べに草煙り居る薄暑かな
これをもってやっと「やぶちゃん版芥川龍之介句集三 書簡俳句」頁分の新全集縦覧による改訂を終了した。