病夢又は少年性矮星症
2009・8・15未明の夢
鏡の中の僕の顔には額から顎にかけて北斗七星の形に白い結節が出来ている
僕はつげ義春の「夢の散歩」のようなどろどろの荒蕪地に建っている病院に行く
その病院は教員の指定年齢診断のためにごった返しており、二人の医師が僕を診察するものの、病名も同定できずに困っている
そこにやけに痩せこけた暗い表情の青年医師が現れる
僕を診断して即座に
「少年性矮星症」
と病名だけを陰気に告げる
院長の女医が僕を見送りながら
「あの人(=「少年性矮星症」と診断した青年医師)は三人の患者を誤診して死なせてしまっているのでどうか自信を持たせてやって欲しい」
と言う
患者の長蛇の列が霞む程向うの方まで続いていた
ふと見ると
そこでトリアージをしている看護婦は
僕の昔の愛した教え子であった
彼女は僕を見るとあの頃と同じように淋しく笑った
女医はKの頭文字を持った女性を看護師として採用しているのですと説明した
僕はあの子はとても誠実な子ですからどうかよろしくと言いながら
顔の北斗七星の斑点を拘縮した右手で覆い隠すと
本郷台の駅へと下って行った――
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