春 尾形亀之助
春
(春になって私は心よくなまけてゐる)
私は自分を愛してゐる
かぎりなく愛してゐる
このよく晴れた
春 ――
私は空ほどに大きく眼を開いてみたい
(改頁)
そして
書齋は私の爪ほどの大きさもなく
掌に春をのせて
驢馬に乘つて街へ出かけて行きたい
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春
(春になって私は心よくなまけてゐる)
私は自分を愛してゐる
かぎりなく愛してゐる
このよく晴れた
春 ――
私は空ほどに大きく眼を開いてみたい
(改頁)
そして
書齋は私の爪ほどの大きさもなく
掌に春をのせて
驢馬に乘つて街へ出かけて行きたい
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