書籍と言う不幸 又は 現代詩文庫版尾形亀之助『色ガラスの街』「ある來訪者への接待」の致命的誤謬 或いは 「みみみららららからからからごんとろとろろぺろぺんとたるるて」という誤ったDNAの増殖
ある來訪者への接待
どてどてとてたてててたてた
たてとて
てれてれたとことこと
ららんぴぴぴぴ ぴ
とつてんととのぷ
ん
んんんん ん
(改頁)
てつれとぽんととぽれ
みみみ
ららら
らからからから
ごんとろとろろ
ぺろぺんとたるるて
[やぶちゃん注:思潮社版現代詩人文庫「尾形亀之助詩集」では、
みみみ
ららら
らからからから
ごんとろとろろ
ぺろぺんとたるるて
最終行が前の連に続いてしまっている。
――(ここで、ヤクザ登場)
「そんなの関係ねえ! 書いた野郎にしか分からねえ言葉なんぞ、いっそ、一つにしちめえ!
どてどてとてたてててたてた
たてとて
てれてれたとことこと
ららんぴぴぴぴ ぴ
とつてんととのぷ
ん
んんんん ん
てつれとぽんととぽれ
みみみ
ららら
らからからから
ごんとろとろろ
ぺろぺんとたるるて
いんや、しゃらくせえ! こんなもん、全部繋ぐに若くはねえぜ!
どてどてとてたてててたてたたてとててれてれたとことことららんぴぴぴぴぴとつてんととのぷんんんんんんてつれとぽんととぽれみみみららららからからからごんとろとろろぺろぺんとたるるて
どーよ、この方がページもとらねえし、ネットの画面も節約できるってもんよ! どうせ、分けの分からねえ詩なんだしよ!」
――(と言いつつ、退場)
お笑いではない。これは致命的な誤りである。何故なら、ネット上に散見する尾形亀之助の『色ガラスの街』は、殆んどがこの現代詩文庫を底本としているからである。誤ったネット上の尾形亀之助「ある來訪者への接待」のDNAが既に手遅れな程に増殖してしまっているのだ。
最後に。1999年思潮社版全集増補改訂版尾形亀之助全集はどうか? 幸いである。正しく一行空いている――正しく一行空いているが――いや、残念ながら幸いではないのである!――39ページ冒頭からこの詩が始まるが、39ページの最後は
ごんとろとろろ
と
空行
で終わっている。40ページをめくると
ぺろぺんとたるるて
一行のみが最初の行に書かれている。不注意な読者は、この全集の「正しい」が「気づきにくく」「誤り易い」表記――そのブービー・トラップにまんまとはまるであろう。悲しいことに、「正しく」書かれていながら、しかし、それでもこの
みみみ
ららら
らからからから
ごんとろとろろ
ぺろぺんとたるるて
という誤ったDNAが更に増殖する危険性を孕んでいるのである。]
« 尾形亀之助の『色ガラスの街』のお洒落な「病気」は間違いなんか、していない! | トップページ | 従来知られている尾形亀之助詩集『色ガラスの街』の「犬の影が私の心に寫つてゐる」の詩が正しい「犬の影が私の心に寫つてゐる」の詩である、という命題は偽である »

