「こゝろ」初版 見開き 「あの」ラテン語
Ars longa vita brevis.
・「アルス・ロンガ・ウィータ・ブレウィス」と読む。
・ars は英語で art であるが、広く「技術」という意味である。
・longus(長い)という形容詞が ars(女性・単数・主格)を修飾している。
・前も後ろも最後に動詞 est が省略されている。. "Ars longa est; vita brevis est."が本来は正規表現である。
・vita は「人生、生活、命」という意。
・brevis は「短い」を意味する第三変化形容詞 brevis の女性・単数・主格。
・普通のラテン語としてなら「技術は長く、人生は短い」と訳す。
・元はヒポクラテスの言ったギリシア語表現で、「アルス」(ギリシア語でテクネー)は「医術」のことで、「医術を習得するには人生はあまりに短か過ぎる」という趣旨の言葉であった。
・一方、この表現が英語に入ると、“ Art is long, life is short.” と訳されることになり、art の意味が「芸術」と大衆に理解されることとなった。
・その結果として「芸術は長く、人生は短し」と訳されることが多い。
参考:「山下太郎のラテン語入門」
Ars longa, vita brevis. 芸術は長く人生は短い
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【2017年5月27日:全面改稿した。】【2020年1月20日:脱字を補正した。】