「僕の牧場」 ヨーゼフ・Y
その牧場は僕の牧場である。しかし、僕の牧場には道標もあるのだが、僕はそこへ行ったことも見たこともない。訪れた知人は――あなたの鶏の卵を一つ戴きましたわ――ヒヨコ? あなたの鶏はもう雛ではなくてよ――いいえ、もうとっくに代替わりしていてよ――ほら! これがあなたの牧場なの。
素敵でしょ!?――あなたも早くいらっしゃいな、ねえ……僕は時々煙草をふかしながら僕の農場のはずれに立っているその道標まで行ってみるのだが、そこには高く聳える彼方の山を覆うように、不思議に巨大な看板が立ち塞がって、また、そこには『レベル10未満者接触不能』という文字が記されているばかりなのである。僕は吸殻をその看板に弾き飛ばし、舌打ちをして僕の作業小屋へ戻る。――僕は僕の農場に行けない。

