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2009/11/07

フルベフルヘト解読

先日掲載した「耳嚢」「羽蟻を止る呪の事」について、先日、僕のブログを見てくれた現役の教え子の高校三年生男子生徒が、あれとよく似た「ふるべゆらゆら」という呪文を実際に聞いたことがありますと、僕に告げてくれた。そこで今日、検索をかけて調べてみて、疑問氷解! 以下に、書き直して「耳嚢」のページに再掲した「フルベフルヘト」注の全文(結構、長いですよ!)を掲載しておく。僕の月讀命(つくよみのみこと)よ! ありがとう!

・「フルベフルヘト」底本では後者の三文字目には濁点がない。岩波版では「フルベフルヘト、フルベフルヘト」となっているが、訳では底本を尊重した(但し、御承知の通り、古語に於いては濁音の欠落は本質的な相違ではない)。底本・岩波版共に本記事には注を附していない。当初は、骸子を「振る」と関係があるかとか、カタカナ表記に引かれて梵語かポルトガル語かスペイン語か等とも考えたのであるが、その後、現役の高校三年生の教え子から「ふるべゆらゆら」という呪文を聞いたことがありますとの報告を受け、調べたところ解決した。これは日本語であり、それも、とびきり古い呪言であった。これは「先代旧事本紀」の「天孫本紀」で、神道に深く関わった物部氏のルーツ邇藝速日命(にぎはやひのみこと=饒速日命)が伝えたとされる「十種神宝」(とくさのかんだから/じっしゅしんぽう=天璽瑞宝十種(あまつしるしみずたからとくさ))に関連した呪文として示され、現在でも「十種大祓」(とくさおおはらい=布留部祓(ふるべのはらい))という名の祝詞として現存している。まず、「十種の神宝」は、

沖津鏡(おきつかがみ)

辺津鏡(へつかがみ)

八握剣(やつかのつるぎ)

生玉(いくたま)

死返玉(まかるかへしのたま)

足玉(たるたま)

道返玉(ちかへしのたま)

蛇比礼(おろちのひれ)

蜂比礼(はちのひれ)

品物之比礼(くさぐさのもののひれ)

10のアイテムを指す。以下、ウィキの「十種神宝」によれば、それに関わって「布瑠の言」(ふるのこと=ひふみ祓詞=ひふみ神言=十種大祓)という呪言が伝承されており、それを用いると死者を蘇生させることが出来るというのである。「先代旧事本紀」の記載には『「一二三四五六七八九十、布留部由良由良止 布留部(ひと ふた み よ いつ む なな や ここの たり、ふるべ ゆらゆらと ふるべ)」と唱える「ひふみの祓詞」や十種神宝の名前を唱えながらこれらの品々を振り動かせば、死人さえ生き返るほどの呪力を発揮する』とあるという。更に語義を示して『この「ふるべ」は瑞宝を振り動かすこと』であり、また『「ゆらゆら」は玉の鳴り響く音を表す』とし、本呪言の起源として「先代旧事本紀」に饒速日命の子の宇摩志麻治命(うましまちのみこと)が十種神宝を用いて神武天皇・皇后の心身安鎮を行ったのが、宮中における鎮魂祭の起源である、と記載する。「十種大祓」の全文を以下のページ(http://www.geocities.jp/sizen_junnosuke/tokusaooharai.html:特定宗教団体に関わるHP内であり、私は勿論、無関係であるので、団体名を示さず、また、当該ページもアドレス表示にしてリンクは張らないこととした。参照させて頂くことについては深く感謝する)に見つけた。これを参照に正字に直して、一部を推定で補正そたその祝詞全文を以下に示す(引用元を参照して直ぐ下に読みを平仮名で示したが、読みの一部や配置に私の恣意的な変更補正を加えてあるので、呪言としてお使いになる場合は、相応な識者に「正しい読み」をお聞きになることをお薦めする。私の読みでは健康のまじない――今は、そうであるらしい――の効果は、ないことは請け合う)。

 

高天原に神留り坐す 皇神等鑄顯給ふ

たかあまのはらにかみづまります すめかみたちいあらはしたまふ

十種瑞津の寶を以て 

とくさみつのたからをもちて

天照國照彦 天火明櫛玉饒速日尊に

あまてるひこ あめほあかりくしたまにぎはやひのみことに

授給事誨て曰

さづけたまふことおしへてのたまはく

汝此瑞津寶を以て 中津國に天降り

いましこのみづのたからをもちて なかつくににあまくだり

蒼生を鎭納よ

あをひとぐさをしづめおさめよ

蒼生及萬物の病疾辭阿羅婆 神寶を以て

あをひとぐさおよびよろづのもののやまひのことあらば かみたからをもちて

御倉板に鎭置て 魂魄鎭祭を爲て

みくらいたにしづめおきて みたましづめまつりをなして

瑞津寶を布留部其の神祝の詞に曰

みづのたからをふるへそのかみほぎのことばにいはく

 

甲乙 丙丁 戊己 庚辛 壬癸

きのえきのと ひのえひのと つちのえつちのと かのえかのと みづのえみづのと

一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 瓊音

ひ ふ み よ い む な や こ と にのおと

布瑠部由良由良

ふるへゆらゆら

 

如此祈所爲婆

かくいのりせば

死共更に蘇生なんと誨へ給ふ 

まかるともさらにいきなんとおしへたまふ

天神御祖御詔を稟給て

あまのかみのみおやみことのりをかけたまひて

天磐船に乘りて

あまのいはふねにのりて

河内國河上の哮峯に天降座して

かはちのくにかはかみのいかるがみねにあまくだりましまして

大和國排尾の山の麓

やまとのくにひきのやまのふもと

白庭の高庭に遷座て 鎭齋奉り給ふ

しろにはのたかにはにうつしましまして いつきまつりたまふ

號て石神大神と申奉り 代代神寶を以て

なづけていそのかみおおかみとまうしたてまつり よよかんたからをもちて

萬物の爲に布留部の神辭を以て

よろづのもののためにふるへのかんことをもちて

司と爲し給ふ故に布留御魂神と尊敬奉

つかさとなしたまふゆえにふるみたまのかみとたつとみうやまひたてまつり

皇子大連大臣其神武を以て

すめみことおおむらじおとどそのかみたけきをもつて

齋に仕奉給ふ物部の神社

いつきにつかへたてまつりたまふもののべのかみやしろ

天下萬物聚類化出大元の神寶は

あめがしたよろづのもののたぐひなりいでむおほもとのかんたからは

所謂 瀛都鏡 邊都鏡 八握生劍

いはゆる おきつかがみ へつかがみ やつかのつるぎ

生玉 死反玉 足玉 道反玉

いくたま まかるがへしのたま たるたま みちかへしのたま

蛇比禮 蜂禮 品品物比禮

おろちのひれ はちのひれ くさぐさもののひれ

更に十種神

さらにとくさのかみ

甲乙 丙丁 戊己 庚辛 壬癸

きのえきのと ひのえひのと つちのえつちのと かのえかのと みづのえみづのと

一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 瓊音

ひ ふ み よ い む な や こ と にのおと

布瑠部由良由良 と由良加之奉る事の由縁を以て

ふるへゆらゆら とゆらかしたてまつることのよしをもちて

平けく聞食せと

たひらけくきこしめせと

命長遠子孫繁榮と

いのちながくしそんしげくさかへよと

常磐堅磐に護り給ひ幸し給ひ

ときはかきはにまもりたまひさきはひしたまひ

加持奉る

かぢたてまつる

神通神妙神力加持

じんづうじんみやうしんりきかぢ

 

ここに現れた「布瑠部由良由良」(ふるへゆらゆら)が「フルヘフルヘト」のルーツと考えてよいであろう。……それにしても、古代の死者蘇生の秘文が、羽蟻を止めるまじないに成り下がったのは、ちょっと哀しい、ね……

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