和漢三才圖會 巻第四十 寓類 恠類 大阪中近堂版図版追加
現在進行中の「和漢三才圖會」の「巻第四十 寓類 恠類」に、画像を大幅に追加した。
水族の部を含め、現在までの画像は東洋文庫版の五書肆連名記版図版をOCRで取り込み、補正したものを用いているのだが、国立国会図書館の近代デジタルライブラリー蔵になる明治17(1884)年~明治21(1888)年大阪中近堂版では画師が明らかに異なっている。今までテクスト化してきた水族の図版は、失礼ながら大阪中近堂版はいただけなかったので特に気にならなかったのだが、この巻の猿は大阪中近堂版図版の方が明らかに美的には達者である(但し、多くの図がリアルなニホンザル風のステロタイプ化してしまっている嫌いはあるのだが)。そこで国立国会図書館の近代デジタルライブラリーからPDFファイルで落とした画像を印刷し、それをOCRを用いて取り込み、私の補正を加えて(画像の汚損が激しいため)本文訓読部分の前に配した(なお、以上の私の作業については文化庁の著作権のQ&A等により、保護期間の過ぎた絵画作品の複製と見做され、著作権は認められないと判断するものである)。五書肆連名記版図版と比較して御覧になるのも一興であろう。但し、この大阪中近堂版と五書肆連名記版の図版は構図や対象生物のポーズが全く同じで、恐らく五書肆連名記版を元に別な画師が新たに書き直したものとは思われる。
今後も本巻に限ってはこの方式をとることとする。
ちなみに、現在最後の項である「猩猩」の大阪中近堂版の顏……何だか、最近、お騒がせの元アイドルに似ているような気がするのは、僕の気のせいだろうか……焙りを覚えれば、それは火を使えばこそ進化とも言えるか?……