シリエトク日記11 カムイワッカの滝 又は 純度99.9 そして 戦争の遺跡
8月4日(水)
カムイワッカの滝――
昭和10年から11年にかけての硫黄山の活動では実に20万トンの純度99.9%の硫黄を流出した――
見給え――滝が落ちる下を――人工的な建物の柱の残骸が見えるね――戦争中、軍部がここで火薬の硫黄をやっきになって採取した、その跡なのだ――
……「カムイワッカとはアイヌ語で人が飲めない『神の水』という意味です」……僕は案内のイケメンの青年の説明を聞きながら……
「ワッカ! これはアカだ! サンスクリットの「閼伽」(あか)だ! 英語のアクアの語源だ! 凄い凄い! アイヌ語は凄い!」
と勝手な思い付きを子供のように独り叫び出した僕をあきれたという感じで眺めながら……妻は仕方なく悪戯っ子を宥める如く「……はいはい、そうね……」と気のなさそうに一言応えたのだった……
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