エリス・ヤポニクス 村上昭夫
エリス・ヤポニクス
シャガの学名とある
だがあの言葉は
まるで別の花のような気がしてならない
シャガならたしかに仙台の日陰の地に咲いていた
ぼくはそれをカラースライドにしてまでとったのだ
カラースライドの下枠に
シャガの花と書いたのだ
だがエリス・ヤポニクスと
そう言って見ると
まるで天上からふわふわ降ってくる
五月のくれる綿菓子みたいな気がしてならない
エリス・ヤポニクス
きっとそうなのだ
あれは苦しいぼくの五月の病いのような時に
何時でも咲いてくれる永遠の心臓花
枯れない五月の名前なのだ
*
被子植物門単子葉植物綱ユリ目アヤメ科アヤメ属シャガIris japonica
学名の種小名はjaponica(「日本の」という意味)であるが、中国原産でかなり古くに日本に入ってきたものと考えられている。したがって、人為的影響の少ない自然林内にはあまり出現しない。スギ植林の林下に見られる場所などは、かつては人間が住んでいた場所である可能性が高い。そういう場所には、チャノキなども見られることが多い。根茎は短く横に這い、群落を形成する。草丈は高さは50~60cmくらいまでになり、葉はつやのある緑色、左右から扁平になっている。いわゆる単面葉であるが、この種の場合、株の根本から左右どちらかに傾いて伸びて、葉の片面だけを上に向け、その面が表面のような様子になり、二次的に裏表が生じている。人家近くの森林周辺の木陰などの、やや湿ったところに群生する。開花期は4-5月くらいで、白っぽい紫のアヤメに似た花をつける。花弁に濃い紫と黄色の模様がある。シャガは三倍体のため種子が発生しない。このことから日本に存在する全てのシャガは同一の遺伝子を持ち、またその分布の広がりは人為的に行われたと考えることができる。中国には二倍体があり花色、花径などに多様な変異があるという。また、シャガを漢字で「射干」と書くことがある。しかし、ヒオウギ(檜扇)のことを漢名で「射干」(やかん)というのが本来である。別名で「胡蝶花」とも呼ばれる。(以上記載及び写真はウィキの「シャガ」より引用)
村上昭夫は昭和43(1968)年10月11日、肺結核と肺性心のため亡くなった。41歳であった。
肺性心(はいせいしん、英: cor pulmonale, CP)は、肺の疾患の存在による肺循環の障害によって肺動脈圧の亢進をきたし、右心室の肥大拡張が生じる状態。肺高血圧あるいは右心系のうっ血性循環障害が認められる。進行するとチアノーゼ、頚静脈の怒張、静脈拍動、浮腫をきたす。(以上はウィキの「肺性心」より引用)
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「舞姫」なる哀れ狂女となりぬエリスの耳元に……僕は、この詩を優しく囁いてやりたくなった……
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