ヨブへの答え
ヨブ、宇宙の嘆き、そしてしだれ柳。……自然の、そして魂の開かれた傷口……そして人間の魂――神の開かれた傷口。
(E.M.シオラン「涙と聖者」金井裕訳より)
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ヨブよ、僕は25歳の時、ユングの「ヨブへの答え」を読み、そして順序を違えながら「ヨブ記」を親しく読んだ。そうして、僕は、ヨブよ、君は神を越えたのだ、とずっと思ってきた。エホバの証人の勧誘でも、僕はそれを口角泡を飛ばして力説し、気が変な奴だと思われたらしく、早々にお引取りになられたのを思い出す。――しかし、とっくにシオランは――それを確かに論証していたことに――今日、僕は気づいたのだった――。