出て行こう
何が何でも出て行こう
僕は
「家出娘」になって
何が何でも出て行こう
――クォ・ヴァディス?――
僕は
あらゆる「在る」ことを呪いながら いや 拒みながら
それが 家出娘
確かな 家出娘
それに憧れる――
家を出るのは
娘=小娘=ノラ=女=少女=永遠に大人であることを拒絶しながら女である少女である/でしかない/であることが出来る
だから彼女だけに それは出来る――
少年は家出しない/出来ない
家出しても 放蕩息子は 所詮 惨めに帰還し父に縋りつくしかないのだ――
そして それは「家出」ではない――
少年は 所詮 父の前に懺悔する――
しかし 少女は 決して帰らない――
懺悔はしない――
する必要がないからだ――
僕は少年でない少女の気持ちが 今少し 分かったような気がする――
(気がするだけで それは 偽 に違いないのだが)
プエル・エテルヌスであること――それは実はやさしいことなのだ――
が――
女が女であることは――
少女が少女であることは――
とんでもない覚悟がいるのだ――
――ワン・シーンを援用させてもらったが、本記載は残念ながら山下監督の映画「リアリズムの宿」とは全く無関係な僕の夢想のでィスクリプションであることを、ここに付言しておく――