雜信一束
父さん ありがとう 母さんの部屋に寝かせてくれて 父さんらしい僕への思いやりだった 父さん 一緒に生きよう 楽しく生きよう!
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範ちゃん 名古屋の母さんの介護 ご苦労さま もっと永く居たかったろうに母の命日に合わせて帰ってきてくれたのも ありがたい 僕も一人では生きて行けないことが 分かったよ
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母さん 今日 青空に 「母さん」と何度も呟いた 母さんがいないと僕はいない これはね 残念ながら真理(ほんとう)なんだよ
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アリス 母さんは死んじゃったんだ もうお前を優しく撫でてくれる手はないんだ でも いつか必ず海に連れて行ってやるよ もうちょっと待っててね 海を見たことないだろ? 大きいんだぜ 海は
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こるじせぷすさん あなたが居て僕はどれだけ救われたか分からない 三世に 僕は君の友だ 賢治のさそり座なんだ
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和田君 懐かしいな トップの珈琲の香りが君の葉書から香った また いつか 逢いたいね 折れた俺が復活した頃に
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義父様 皆 花の枯れた折りに 二つの大きな花束をありがとう御座います 母は百合の香りにまた包まれました
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僕の今の茶髪の教え子たちへ 今日の不思議な僕の体験を普段のおしゃべりをやめて しーんと聴いてくれた貴女たちに 僕は心から打たれたんだ
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僕へ 妻や父にもっと 感謝しなきゃね 煙草ばかり吸って酔ってばかりいないでね
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母さん――あの日――母さんは喉が渇いていたのに 僕はユダのように それが聞き取れなかったのではなかったんじゃなかったか? だとすれば 僕は母さんを殺したのと同じだ――母さん――ごめんね――