藪野唯至 富田木歩論 イコンとしての杖 『俳句界』掲載記念 富田木歩愛妹まき子哀傷小品二篇「おけら焚きつゝ」「臨終まで」 附 同哀傷句群 同縦書版
私の富田木歩論「イコンとしての杖」『俳句界』掲載記念としてやぶちゃんの電子テクスト:俳句篇に『富田木歩愛妹まき子哀傷小品二篇「おけら焚きつゝ」「臨終まで」 附 同哀傷句群』及び同縦書版を公開した。
特に「臨終まで」は僕には涙なくして作業を終えることが出来なかった。
「母ちゃん――暑いよ」
というまき子の言葉は――それは震災の迫り来る猛火を前にした木歩の最期の言葉として――そして――そしてめされる数日前から喉の渇きを訴えていた亡き母の言葉として――いや、これから起こるかもしれない日本の原発地獄の無数の言葉として――僕には痛切に響き返してくるからである……
以上の木歩のテクストを亡き母聖子テレジアに捧げる――