新編鎌倉志 巻之一 影印による大校訂 残すところ僅か――されど……
「新編鎌倉志 巻之一」の影印による大校訂が終わりに近づいた。僅か三項目、影印で三十数行に過ぎない。三十分あれば終えられる工程だ(東京電力の福島原発よりずっと確実な実行可能性として、だ)――が――ここでちょっと立ち止まることにする。どうも今の心理状態では、きっぱり何か終えてしまうと、強烈な空虚感と波状的な悲哀が襲って来ることが分かっているからだ。魂のモラトリアムなグラデーションの荒野が必要なのだ。次の変化球の役にも立たぬアンガジュマンを用意せねばなるまい。僕はハスキー犬と同じだ。毎日、同じ道を散歩させられると、直きにノイローゼになるのさ……