エルモライ 主人への手紙
儂は毎朝……とっくに誰もおらんようになった牧場で独り毎朝リャマに餌をやって……コルジセーヴァ伯爵夫人一人しかおらんようになった淋しいコルフォーズの水遣り・除草・虫取りの世話も欠かさぬのじゃが……誰にも迷惑かけんと暮らして来たにの……だのに、今度はやっと復権致いたと思うたニフ帝立ハピアーナ・アクアリウムも……突如、閉鎖するちゅうこっちゃ……王も民もおらん……アナキズムとかいうことか……世も末じゃの、「この国」は……儂は……疲れましたじゃ、フィヨドール様……水槽の残る2ヵ月の最期を看取っての……儂はベージン草原に隠居致しまして、そこで、あの古きよき少年たちと語り暮らすことに……致しましたじゃ……永々の御愛顧有難く……ご主人様、随分と……御機嫌よう……