隠岐日記3 中ノ島 知夫里島
中ノ島観光。
昼間の「あまんぼう」に再乗船。――悪かぁないが……「あまんぼうは」は、やっぱりナイトに限る――
大型観光バスに僕らを含めて6人(+ガイド1名)乗って島内観光。後鳥羽院の旧跡を中心に巡る。
多くの天皇の御製が宮中の架空の題詠でしかなたっかことを考えれば、今回、僕には後鳥羽院の歌がどれも、如何にもリアリズムに富んだ佳句に感じられた。配流後の歌を、今度、真面目に読んでみようと思った。――ここまで生きてきて、御製を真剣に読もうなんぞと思うようになるとは――正直、不思議!――
昼は是非とも幻の隠岐牛を食わんとして見れば――唯一の隠岐牛専門店は定休日であった(諸君、隠岐各島の飲食店は、どこも数少ない。くれぐれも定休日の確認をお忘れなきよう!)。
ガックリ自棄になって観光案内所の二階の食堂「承久海道」(スゲえ名前だな)で、
隠岐そば(サバぶしでだしを取った100%そば粉のもの)☆☆
寒シマメ(スルメイカ)肝醤油漬け丼(この時期限定のガイドさんお勧め)☆☆☆
に満を持して待っていた、かのブランド岩ガキ
「春香」4個☆☆☆☆
をビールと隠岐誉の生酒(あっさりとした辛口で隠岐逗留中は郷に入ってはでずっとこれを飲んだ。☆☆)で頂く。――至腹、基、至福ナリ――
島内渡船にて最後の島知夫里島へ渡る。
ホテル知夫の里泊。
部屋は全室オーシャン・ビューの絶佳! 露天風呂がある(但し、温泉ではなく、内風呂はかなり狭いことは申し添えておく)。
支配人に隠岐牛の話をしたところ、在庫があったというので(生肉は桐の箱に入っていた)夕食で出してもらう。
これまた舌佳! 隠岐では必ず隠岐牛を食うべし!――航海の後は後悔先に立たずなり――
旅の終わりの日、奥川さんというUターンの団塊の世代のボランティアの方が知夫里島を車で観光して下さった。昨年、心不全でヘリで松江に運ばれたという奥川さんは、妻の歩調ニ合わせて歩いてくれた。
牛が放牧されている隠岐諸島フル・ロケーションの赤ハゲ山も――「だんだん」のロケ地の断崖絶壁、エメラルド・グリーンを見下ろす赤壁も――どこも僕ら三人だけ――プライベート・サイトシーイングだった……