嘘つき
僕が
あらゆる人々に燃やした
愛や憎しみや哀しみや悦びが
僕の生きる意味そのものである。
だから僕には何の悔いもない――
誰もが当たり前に思うように少しだけ思うのは
もう少し違った生き方はあったのかもしれないということ――
あの時……あの時……あの時……
氷見の神社……気多神社の貯水池の山……江ノ島の橋……港の見える丘……森戸海岸……能見台を下った公園……夜の横浜港……
その瞬間は永遠だった――
でも、それは誰も同じことなのだ――
あなたも……あなたも……あなたも……
エンドレスなんてお綺麗ごとじゃない? いや 僕には永遠だ――
そうして多分、僕は誰より幸せだ――
いや
幸せは誰彼と比較するもんじゃない……
僕はいつでもカルナバルの丘に「君」を抱いて登ろう……
祝祭と嫉妬と神罰の投石を受けて……
君と龍舌蘭の蕚に抱かれよう――
そんな覚悟ぐらいないのに
文学を語るなんて
それは
とんでもない嘘つきだもの……