ついさっきまで僕の臓器であったものの画像 附 僕の奇形臓器画像
――断っておくが、以下の画像は、この手のものが「ダメな人」は見ないがよい――
――それでもかつての僕の右橈骨遠位端骨折のイリザノフ創外固定器を装着した写真よりは、どうということはない気がするが――
――つい2時間前まで、僕の臓器であったものの画像である――
――さっき抜歯をした。右上4番の第一小臼歯である。歯周病が疑われていたが、実際には被せた金属の下で、歯が真っ二つに折れていたために化膿が繰り返されていたのだった。根の治療に用いた詰め物が妙に鮮烈な色を見せているのが人体模型の血管みたようでゾワゾワさせるじゃないか――
――僕は、あの橈骨の骨折の際も、失敗した一回目に使用したイリザノフ創外固定器を2度目の手術後にすべて貰って手元に置いてあるのだ――
――レントゲン写真に至っては、金を払ってコピーも買った――
――転んでもただ起きない――
――つもりだったな、あの時は――
――それらは前の学校で医療・看護系の補習に大いに役立ったもんだ――
――今回も、我がコレクションに加えるべく、しっかりと頂戴したというわけだ――
*
せっかくだから――もう一つお目にかけようか――
――僕の奇形臓器だ――
――今から十数年前、右7番の第二大臼歯を抜歯した(それ以前に金属を被せてあった)――
――当時の歯科医曰く――レントゲンでやや不審な点があり、副鼻腔炎の原因となる可能性がある――と指摘されたため抜歯を許諾したのだが――
――これがまた抜くのに1時間以上かかった――
――そうして抜いてみて――
――歯科医「こんなの、見たことがない!」――
――では、ご覧頂こう――
――大臼歯の側根は一般には四方が緩やかに内側に湾曲して、尖った形であるのは御存じだろう――
――ところが僕のは――
――一か所が外へ向かって大きく反っている
――まだまだ――
――その反った則根の右側の根と、そもそもその向こう側をご覧あれ――
――何だか――壁のような感じで――
――少しおかしくはないか?
――そうだ――
――これが反対側から見た根の様子だ――
――完全に癒着して鉈のような塊になっているのが見てとれる――
――上の写真は、最初の画像の右側を正面にして撮ったものである(右の物体は支えるための本の一部)――
――右の反りは視覚的に減衰するので何となく普通の大臼歯のように見えるのだが――
――ところがだ――
――これを反対側から映すと――
――二つの根が完全に癒着しているのが分かる――
――こういうのは歯科医用模型業者の精密根管模型のサイトによれば、遠心側根というらしい(学習用にこうした模型があるということは、必ずしもとびきり稀有の変異形態ではないようだ)――
――にしても、やっぱりゾワゾワする形だね――
*
――僕は魂、ばかりじゃあない――一本の歯に至るまで――奇形者なのだ――