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2011/11/09

鈴木しづ子 三十二歳 昭和二十七(一九五二)年一月二十八日附句稿百句より (2) 十三句

 倶樂部在り春の雪ふる水ほとり

 ひとごゑやストーブ燃えし四つの隅

 品定めはじまるらしき雪ちらつく

 品定めさるるに狎れし雪ちらつく

 雪ちらつくみだらに了る品定め

 倶樂部の奥寐室在るや雪ちらつく

 ことさらに寒き寐室人を招ず

 踊り場に靴がころがる雪夜なり

 玻璃透りて雪がちらつく脱げし靴

 靴脱げしジルバ続くや雪ちらつく

 うす絹やハバネラ踊る雪ちらつく

 連続する十一句を採った。今後、当たり前のことを二度とは言わぬ――
――「鈴木しづ子は娼婦ではない。ダンサーである。」――
 しづ子の勤めるダンス・ホール――だから四隅にストーブ――しかし、今日の客の米兵はあたしとダンスを踊る奴は、いそうもないわ、あの眼――早くも接待婦の品定めが始まった――生と性に疲れて、ホステスの女たちは、もうすっかりその忌まわしい獣の視線に狎れきってる――みんなペアで奥へ行っちゃった――さて! じゃあ、雪のちらつく今夜は――しづ子の、誰もいないオン・ステージ――たった一人のジルバとハバネラ――

   *

 天暗く若死に以て星流る

 春めく夜回想の星失せしめぬ

 ……詮索はやめよう……しづ子だけの回想を……そっとしておこう……

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