鈴木しづ子 三十二歳 昭和二十七(一九五二)年一月二十日附句稿二百十二句より (3) 伊勢参宮志摩鳥羽遊覧句群後から三句
炭火はぜはつと思ふや指纎う
菊さむしなきがらを見ぬ人の死へ
貌そむけ笑ひこらへし雪の松
伊勢志摩から戻った彼女は風邪を惹いて寝込んだ。勿論、そこにはケリーの死という衝撃も作用している。この部分の句は勿論、全体にトーンが低く、しづ子独特の生=性のエネルギが感じられない。それでも生きねばらぬ……笑わなければ……
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