僕は鮮やかに断罪されなければならない
僕は芥川龍之介や鈴木しづ子の作品――言説(ディスクール)を僕なりに解析しながら「僕の芥川龍之介」「僕の鈴木しづ子」の真実を探し求めながら――
――その実、僕は「僕が愛した母」の一言一句を――
――何一つ――
――受けとめることも、共有することも出来なかったのではないか?!――
――確実に死に赴こうとする、一瞬一瞬の「僕の母」を――
――僕は全身で受けとめるべきであったのに――
――僕は僕の「飴のように伸びた蒼ざめた現実」の中に浸かったままに、何一つ受けとめてやることが出来なかったのではないか?!……
……僕は鮮やかに断罪されなければならない……
今、確かに、そう思うのである――
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