喪中葉書を印刷しながら
喪中葉書を印刷しながら――プリンターがだだをこねて一枚ずつ止まるのだが、そのつどに感じるのだ――この人に喪中葉書はいるのか? 喪中葉書なんて誰も欲しくないだろう?――さすれば馬鹿げた仕儀ではないか? 母の死など誰も感じてはいないだろう! こんな馬鹿げた葉書一枚、誰も読みはしない一枚など、誰にもいらないだろうに――だからこそ僕は年賀状が大嫌い――だって何年も逢っていないのに、親しみを込めたクソ文句なんていらないじゃないか!――そうさ、僕は年賀状が大嫌いなんだ――だから来年の正月、僕はほっとする――いや、これから先もほっとするだろう――そうだ、僕はもう、やっと一人になれるんだ――
*
明日は母さんの誕生日だったのに――
« 君たちを愛する | トップページ | 鈴木しづ子 三十二歳 昭和二十七(一九五二)年三月十一日附句稿百六句より(3) 虫二句 »

