鈴木しづ子 三十二歳 昭和二十七(一九五二)年三月三十日附句稿百五十六句より(5) いづれは體土還るとも曼珠沙華
いづれは體土還るとも曼珠沙華
「體」は「たい」であろう。「とも」という接続助詞が「曼珠沙華」の瞬時に燃え立つ女の強い情念の決意を引き出す。これは文字で書いた時初めて、背をすっくと伸ばした古武士のようなしづ子が髣髴としてくる視覚的な効果を持った句である。
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