鈴木しづ子 三十二歳 昭和二十七(一九五二)年三月三十日附句稿百五十六句より(8) 三句
古葉光げ土面しめりてゐたりけり
よべ濡れの古葉ひかりの土面かな
花ちかく朝はしめれる土面かな
本句稿抄出冒頭の「降りやみの濡れ葉いろなす土おもて」の推敲句が後半に再び現れる。これはしづ子がどうしても、この句稿で――特にこの日の日附の句稿で――どうしても摑みたかった句境だったのだ――と私は思うのである。
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