鈴木しづ子 三十三歳 昭和二十七(一九五二)年六月二十三日附句稿百七十一句より(5) 四句
千代女をのてかしはとしとする花火
千代女より久せ多住ると遠花火
白露やむかしはかかる詩でよく
夫失せの千代女の詩は露をいふ
珍しく加賀千代女の名を詠み込んだ句群から。但し、最初の二句は失礼ながら判読の誤りとしか思われない意味不明の文字列である。原本を見たい気持ちが髣髴として湧き起こる。後ろの二句は千代女の「露はまた露とこたえて初しぐれ」などを念頭に置くか。
« 鈴木しづ子 三十三歳 昭和二十七(一九五二)年六月二十三日附句稿百七十一句より(4) 三句 | トップページ | 新編鎌倉志卷之七 補陀落寺鐘銘に手古摺る »