鈴木しづ子 三十四歳 『樹海』昭和二十九(一九五四)年二月号しづ子詐称投句全掲載句
ふたたび
凍蝶に蹤きてさすらひはじまれり
わが不幸東京に見し冬の蝶
玻璃の面の蛾のはばたきを人と思ふ
まん月の夜のいのりぞ女體もて
巨湫よ――何が「ふたたび」だ――お前の中でのみしづ子が復活するとでも言いたいのか?――それがお前の愚劣な犯罪であることを――強迫神経症の如く忘れるためか――そこではしづ子は既に死んでいて――凍蝶や蛾となって――お前を「ふたたび」訪れるとでもおめでたく思ってでもいたのか?……お前が抱いた――いや――誠、抱きたいと思ったが抱けなかった――しづ子が――
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