昨日逢った二人へ くちびるに歌を Hab' ein Lied auf den Lippen
昨日逢った二人へ贈ります――
くちびるに歌を Hab' ein Lied auf den Lippen
この曲は……歌詞が分からぬても……何故か……ドイツ語の主旋律を聴いただけで……涙が止まらなく……なるのです……
"Hab' Sonne im Herzen"
Hab' Sonne im Herzen, obs stürmt oder schneit
Ob der Himmel voll Wolken, die Erd voller Streit.
Hab' Sonne im Herzen, dann komme was mag,
das leuchtet voll Licht dir den dunkelsten Tag.
Hab' ein Lied auf den Lippen mit fröhlichem Klang
und macht auch des Alltags Gedränge dich bang!
Hab' ein Lied auf den Lippen, dann komme was mag,
das hilft dir verwinden den einsamsten Tag!
Hab' ein Wort auch für andre in Sorg' und in Pein,
und sag, was dich selber so frohgemut lässt sein:
Hab' ein Lied auf den Lippen, verlier nie den Mut,
hab' Sonne im Herzen, und alles wird gut.
*
ツェーザル・フライシュレンの祈り
心に太陽を持て
心に太陽を持て
あらしが吹こうが、雪がふろうが、
天には雲、
地には争いが絶えなかろうが!
心に太陽を持て
そうすりゃ、何がこようと平気じゃないか!
どんな暗い日だって
それが明るくしてくれる!
くちびるに歌を持て
ほがらかな調子で。
毎日の苦労に
よし心配が絶えなくとも!
くちびるに歌を持て
そうすりゃ、何がこようと平気じゃないか!
どんなさびしい日だって
それが元気にしてくれる!
他人のためにも、ことばを持て
なやみ、苦しんでいる他人のためにも。
そうして、なんでこんなにほがらかでいられるのか、
それをこう話してやるのだ!
くちびるに歌を持て
勇気を失うな。
心に太陽を持て
そうすりゃ、なんだってふっ飛んでしまう!
山本有三 『心に太陽を持て』 初版本訳
*
心に太陽を持て
心に太陽を持て。
あらしが ふこうと、
ふぶきが こようと、
天には黒くも、
地には争いが絶えなかろうと、
いつも、心に太陽を持て。
唇に歌を持て、
軽く、ほがらかに。
自分のつとめ、
自分のくらしに、
よしや苦労が絶えなかろうと、
いつも、くちびるに歌を持て。
苦しんでいる人、
なやんでいる人には、
こう、はげましてやろう。
「勇気を失うな。
くちびるに歌を持て。
心に太陽を持て。」
山本有三『心に太陽を持て』改定訳