噴火夢
何処だろう、ここは――知らない首都の衛星都市の丘陵の駅の春――そのすぐ向こうに昭和新山のミニチュアのような禿山がある――僕その複線の反対側の電車に乗っているのだが――開かない窓から見ていると数メートルしかないその丘の上から濛々たる黒煙が噴き出し――あっという間に血のような粘度の極めて高いしかし高温の溶岩流が溢れ出し――僕は車窓を両手で叩きながら、向こう側のホームにいる通勤客に危険を知らせようとする――窓は開かない――その内に僕の電車は何事もなかったかのように駅を出て行く――僕は叫び続ける――でも――向かいのホームでは何人もの人が、普通に電車を待っているのだ――その後ろには赤黒い飴の塊のような溶岩が――迫っているというのに――
僕は大声で叫んでいる
――それを「僕」は去って行く電車の外で――絶望して眺めていた――
*
一昨日の夢だ。