鈴木しづ子 三十六歳 『樹海』昭和三十一(一九五六)年十一月号しづ子詐称投句全掲載句
このあたり柿美しく子は早熟
秋の夜の醬油こぼせしひとりごと
ひとの顏野分の中に現れぬ
へだつればいつさい喜劇石榴咲く
ひつそりと彌生の晝を覺めにけり
「へだつれば」と「ひつそりと」の句は大量句稿中の昭和二十七(一九五二)年二月十二日附句稿に認められ、前者は、
經だたればいっさい喜劇柘榴咲く
の句形で、珍しく軽い巨湫による斧正が入っている。
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