鈴木しづ子 四十三歳 『俳句苑』昭和三十九(一九六四)年七月号しづ子最終詐称投句全掲載句
きょうだいの性異なれる緑雨かな
拭う雨東京の土踏むことなし
書くときと身近にたもつ蠅叩き
五月雨の流れどおしの木木の虜
万緑や腰おろすべき石さがす
「五月雨の」の「木木の虜」はママ。「膚」の誤植。ここだけは総て底本通りの表記で示した。『きのうみ』昭和三十八(一九六三)年六月号しづ子詐称投句全掲載句の再録(「拭ぐう」の「ぐ」がなくなり、「萬」が「万」になっている)であるが、ともかくも、これが最後の巨湫による、本当の最後のしづ子詐称投句ということになる。『俳句苑』は巨湫が関わった同系組織の短詩系結社の転載総合俳句誌といったもので、この『俳句苑』は第二次の再開創刊号にあたる(巨湫は主宰ではなく編集長であった)。――これが最後となったのは――巨湫は本号発刊直前に脳軟化症で倒れ――そして、この昭和三十九(一九六四)年七月二十三日に――亡くなったためである――ともかくも巨湫は――確信犯でしづ子を騙った詐称投句を――死ぬまで貫徹したと言えるのである――
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