鈴木しづ子 三十四歳 『樹海』昭和三十(一九五五)年二月号しづ子詐称投句全掲載句
近江の葉
脚組むやおほかたの驛雪をつく
吹くすそやつまさき滲みる膳所の雲
一樣に外套黑し旅長く
湖冷えの吹かるるばかり近江の葉
よべ雪のあともなかりし近江の葉
雪冷えのつまさきおろす京都かな
しづ子の句としては極めて稀なソリッドな、しかもスラーのようにブレイクの殆んどない旋律の稀有の羈旅吟を構成している。しかし、その結果として「脚組むや」という冒頭の一句の初五以外には、しづ子らしさが感じられない。しづ子の句と言われなければ、「なるほど、悪くないね」で、暫くすると思い出せなくなる(少なくとも私には)「実に纏まった、それらしい」句群である。
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