鈴木しづ子 三十四歳 『樹海』昭和三十(一九五五)年五月号しづ子詐称投句全掲載句
母
母が名を洗ひ濡らすや墓石の面
夫戀ひの母が一世や土の苔
幸ちうすくおのれに似かよふ母が貌に
かつては製圖工すそ曳けば紅し
――私の顔は真ん中に鏡を立てると――右の対称は母になり――左の対称は父になる――因みに――私の両親は従兄妹である――
« ジョン・ミリングトン・シング著姉崎正見訳「アラン島」(17) | トップページ | 鈴木しづ子 三十四歳 『樹海』昭和三十(一九五五)年六月号しづ子詐称投句全掲載句 »