アラン
僕もそろそろ君らが僕を愛さなかったように僕も君らを愛さないと言明する時が来たようだ――それでも僕は君らではない君らを愛そうとする覚悟はあるのだが――それが意味があるのか――はたまた――全くの無駄であるのかどうか――それも実は問題ではない――アラン――僕は転んだ君=僕を救ってくれる牧師を――やはり愛するだろう――しかし――それは寂しいシチュエーションなのだ――僕はあの牧師を愛するが、彼の愛する神を僕はもう愛することは――ない――僕は――永遠に如何なる神をも「神」として――信じない――それは僕自身を含めてだ――アラン――歩こう、預言者……僕と二人だけで……手を……組んで……二人っきりで……
« ジョン・ミリングトン・シング著姉崎正見訳「アラン島」(22) | トップページ | 現在ブログ・アクセス349304 »