最後の授業
今日、最後の授業を終えた――
最後は「近代文学を学ぼう」の講座で――僕の最後の教え子は男子一人女子十一人計十二人幸いにして全員出席――
外題は例の――芥川龍之介「奉教人の死」の段――演じます太夫藪野唯至太夫――
出来は?――そうさな、まだまだ稽古が足りぬわい――「ろおれんぞ」は女ぢや――のところで図らずも落涙致いてしもうた――まあ、75点というところか――
それでも――僕にしてみれば僕の最後には相応しい演目とはなったのである……
芥川龍之介に――十二人の最後の教え子に――そうして――僕の33年の総ての教え子に――心より感謝する――