父の考古学遺物コレクションより 石斧 1
父の発掘した考古学コレクションから幾つかを御紹介する。解説は総て私のオリジナルであり、勝手な推測に過ぎない。
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縄文石斧(縄文後期で、戸塚と保土ヶ谷の間辺りで60年程前に採取したものと思われる)
Ⅰ
砥石様の滑らかな石質で粘板岩かと思われる。左上方の刃はⅡの反対側でも非常に洗練された研磨が施されており、所謂、局部磨製石斧と称してもよい仕上がりである。本体中央部(写真右上方から左下方)にかけて、深いもの(右上方)と、それと連動しないやや浅く小さなチップが認められる。前者はグリップを取り付けるためのものと思われ(即ち、本石斧は左下側面が石斧上面に相当する)、後者はそれを蒔きつけて固定する索条(藤蔓など)の溝のようにも見える。
Ⅱ Ⅰの裏面
反転したので今度は柄は左下に伸びる形になる。刃の角度はⅠに比して有意に小さく、鋭くなっている。また、刃の上下の後延部分が、その背後末端(右下方)の石斧後部に比して有意に削られて細く縊れているのが分かり、正しく鑿を非常に寸詰まりにしたような形状であることが見て取れる。
Ⅲ Ⅰの照度を上げた画像
こちら側の刃の左右部分にはチップがあるのが分かる。グリップ装着用のチップは前(刃の後ろ)が深く、そこから石斧後方になだらかの削られて、グリップの力が有効に刃面に及ぶように設計されていることが分かる。
Ⅳ Ⅱの照度を上げた画像
刃が反対側と異なり、美事な仕上がりとなって、持ち主がこちら側の刃を丁寧に磨き上げていることが分かる。正確に言うと、写真左の角の部分は、当初、やや外側に傾斜したチップを形成させていることが触れるとはっきり分かる。
Ⅴ 石斧後面
勿論、上が上(Ⅰの左下方の斜辺相当)である。下部が厚く、刃の上部向かって非常に美しいラインを形成し、石斧の強度が計算された美事な臼状を成している。
Ⅵ 石斧正面(刃部)
素晴らしく鋭利な、効果的な「刃」が成形されている様子が見て取れる。Ⅰが左側、Ⅱが右側に相当する。こうして拡大してみると、正に芸術の域に近いという気がする。




