蒲郡クラシックホテル
姪の若夫婦と豊橋で会食、翌日、名古屋の義母を見舞った。
初日は、蒲郡の蒲郡クラシックホテル(旧蒲郡プリンスホテル)に泊まった。
(その歴史はウィキの「蒲郡クラシックホテル」を参照されたい。以下は同ウィキのパブリック・ドメイン画像)
僕は、27年前の1985年の秋、未だ独身の折りに、この蒲郡から伊良子岬に数少ない一人旅をした。
その時、この当時廃業していた「蒲郡ホテル」の外観を眺めながら、何故か、いつかここに泊まりたい、と思ったのを覚えている。
そんな希望を僕は妻に伝えることもなかったのだが、彼女はこのホテルを選んだ。
それにはまた別の理由があった。
妻の祖父は名古屋でも屈指の指物師であった。戦前――今、アルツハイマーで入院している、見舞ったところの――まだ幼かった義母を連れて、祖父はこのホテルの調度類の仕事をしたのだった。――
特別に、昭和天皇と香淳皇后が昭和32(1957)年――これは僕の生まれた年だ――に宿泊した部屋を見せて貰った。
カーテン隠しの桟や木製のテーブルに、祖父の堅実な仕事振りが感ぜられた。
連休の終り――遅いフランス料理のフルコース・ディナーを竹島を見下ろす44席あるメインダイニングの最も絶景のテーブルで食したが――7時から2時間余り――何とラッキーなことに――貸切ったように、僕ら二人きりだった――
料理もワインも景色も何もかもが最高だった――
温泉ではないし、大浴場もないが――泊まってよかった――僕の数少ない、お奨めのホテルである――