靑天を下り來るやんま射垜の兵 畑耕一
靑天を下り來るやんま射垜の兵
[やぶちゃん注:「射垜」は普通は「あづち(あずち)」と読む。和弓の弓場で的を掛けるために、土又は細かな川砂を土手のように固めた盛り土。単に「垜」とも、また「堋」「安土」とも書き、「射(あむつち)」「南山(なんざん)」「的山(まとやま)」などとも呼ぶ。但し、この句は「せいてんを/おりくるやんま/いだのひやう」と読んでいるように私には思われる。また、この下五は弓場の実景というより(実景を想起しても構わないが)、素早く下降するオニヤンマを、的を掛けたに的に向かって飛ぶ矢に隠喩したもののようにも感ぜらるる。識者の御教授を乞う。]