私が女に生れたら? どう男を遇するか?!《芥川龍之介未電子化掌品抄》
[やぶちゃん注:大正一二(一九二三)年四月発行の『婦人公論』に「私が女に生れたら? どう男を遇するか?!」の大見出しのもとに無題で掲載されたことから、上記の様な副題を附した。底本は岩波旧全集を用いたが、表題は「私が女に生れたら」で、アンケートや芥川龍之介の回答の趣旨から微妙にずれると判断して上記のような表題と副題を附した。底本は総ルビであるが一切省略した。敢えて述べておくと、「好い」は「よい」、「捉へ」は「とらへ」である。]
――アンケート「私が女に生れたら? どう男を遇するか?!」に対する芥川龍之介の回答――
出來るだけ温良貞淑を裝ひ、出來るだけ都合の好い夫を捉へ、出來るだけ巧みに夫を操り、出來るだけ自己を成長させます。所謂經濟的獨立などは少しも得たいとは思ひません。そんなものは得たところが、反つて少しも餘力を持たない奴隷生涯に入ることですから。
« 北條九代記 木曾義仲上洛 付 平家都落 | トップページ | 洋裝と和裝と――壯烈の犧牲――《芥川龍之介未電子化掌品抄》 »