苅萱桑門筑紫いへづと 守宮酒の段
昨日の文楽――その1
「苅萱桑門筑紫※(かるかやだうしんつくしのいへづと)」
(「※」=「車」+「榮」。この漢字、ユニコードにはあるが、ブログが対応しない)
――守宮酒(いもりざけ)の段
は完敗……僕の好きな刈萱道心伝承を元にしているという油断から、本段の内容を事前にしっかり勉強せなんだ(「駒形どぜう」での快飲快食の余韻故に鑑賞ガイドを緻密に読み込まず斜め読み致いた)ことが災いし、人物の心の動きを汲み取るのが後手に回ってしまい、あれよあれよとまごつく内に――如何にも残念なのは勘十郎の「夕しで」を堪能する暇もなく――終局へと至ってしまった。……
但し、博物誌的には、この段、まっこと面白い――これは知られたことであるが――徳利から出るのは、ありゃ普通は「守宮」と書くヤモリでなく「井宮」(イモリ)である(何せ、腹が赤いわい)。但し、イモリを「守宮」と書いて「いもり」と読ませもしたのである。この辺りのことは、僕の電子テクスト、南方熊楠の「守宮もて女の貞を試む」及び寺島良安の「和漢三才圖會 卷第四十五 龍蛇部 龍類 蛇類」の「蠑螈」(イモリ)及び「守宮」(ヤモリ)及び「避役」(インドシナウォータードラゴン)の部分等を参照されたい。
……この段……ともかくも……いつか再挑戦せずんばならず!……トホホ……