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2013/02/09

蛙の死 萩原朔太郎 (「月に吠える」版)

蛙の死

蛙が殺された、

子供がまるくなつて手をあげた、

みんないつしよに、

かわゆらしい、

血だらけの手をあげた、

月が出た、

丘の上に人が立つてゐる。

帽子の下に顏がある。

幼年思慕篇

[やぶちゃん注:詩集「月に吠える」初版(大正六(一九一七)年二月感情詩社・白日社出版部共刊)より。朗読の観点から言うと、初出は「可愛いらしい」及び「血だらけの手をあげた。」の末尾の句点が「かわゆらしい」及び「血だらけの手をあげた、」よりもよく、こちらは「丘の上に人が立つてゐる。」の「ゐる。」が「居た、」よりも時制とモンタージュの効果が格段によい。また、末尾の「幼年思慕篇」という添書も朗読では読了後に有意な沈黙を置いて発すると、非常に効果的である。以上から私は、本詩の朗読には両者をカップリングした、

 蛙の死

蛙が殺された、

子供がまるくなつて手をあげた、

みんないつしよに、

可愛いらしい、

血だらけの手をあげた。

月が出た、

丘の上に人が立つてゐる。

帽子の下に顏がある。

幼年思慕篇

を薦めたい。私は詩の朗読とは朗読する俳優による翻案であると思っている。従って、私にとってはこうした操作も当然の如く、あり、なのである。]

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