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2013/02/21

耳嚢 巻之六 寄雷狂歌の事

 寄雷狂歌の事

 いろいろ狂歌を興じ詠(よみ)しに、寄雷戀といえる題にて或人詠ぜしが、秀逸なりと、人の語りぬ。
  日頃からねんころねんころと鳴かけて落そうにして落ぬかみさま

□やぶちゃん注
○前項連関:狂歌から俳諧、また狂歌で連関。掛詞と縁語を駆使した超絶技巧的艶笑歌である。
・「寄雷狂歌」は「雷に寄する狂歌」と読む。
・「寄雷戀」は「雷に寄する戀(こい)」と訓じているか。それとも「キライレン」と音で読んでいるか。前者で採った。
・「日頃からねんころねんころと鳴かけて落そうにして落ぬかみさま」分かり易く、仮名遣いを正して書き直す。
 日頃(ひごろ)からねんごろねんごろと鳴りかけて落ちさうにして落ちぬ神樣
「ねんごろねんごろ」は「懇ろ懇ろ」と雷鳴の「ごろごろ」を掛けて、前の「日頃」の「頃(ごろ)」を引きつつ擬音を響かせている。更に「ねんごろと鳴り」は「懇ろと成る」(親しい関係になる)の意を掛ける。「頃(ごろ)」「(ねん)ごろ(ねん)ごろ」「鳴る」「落ちる」「落ちぬ」「神」(雷神)は縁語。最後の「かみさま」は実は雷「神樣」と人妻の意の「おかみさん」(この語は自分以外の妻をも言う)の意の「上樣」を掛けてあり、岩波のカリフォルニア大学バークレー校版の長谷川氏の注には、『意に従いそうに見えて従わない人妻の意』とする。即ち、「落ちる」も雷が「落ちる」に、所謂、「貞淑な彼女も手練手管に遂に落ちた」の「落ちる」、強く迫られて遂に相手の思い通りの状態になる、説得などに負けて相手に従う、の「落ちる」が掛けられている。
――日ごろから……ねんねんごろごろ……と、雷さまの鳴るように、如何にもねんねんごろ、懇ろになり掛けておりながら……これ、落ちそで、落ちぬが……雷(かみ)さまと……恋しい、人の、おかみさん――

■やぶちゃん現代語訳

 雷に寄する狂歌の事

 いろいろな狂歌が興じて詠まれているようであるが、その中でも「雷に寄する恋」と申す題にてある人詠じたものが、これ、甚だ秀逸であると、さる御仁の語って御座った。その歌、
  日頃からねんころねんころと鳴かけて落そうにして落ぬかみさま

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