一言芳談 八十八
八十八
敬日上人云、遁世に三の口傳あり。一には同宿。二には同じ體(てい)なる後世者どもの庵をならべたる所に不可住(ぢゆうすべからず)。三には遁世すればとて、日來(ひごろ)の有樣をことごとしく不可改(あらたむべからず)、云々。
〇有さまをあらためぬとは、數ならぬ身ほど深山のおくもなし、人のしらぬをかくれ家にして、とよめる心なるべし。(句解)
[やぶちゃん注:謡曲「紅葉狩」の前シテ紅葉見物の上臈(実は鬼)の台詞に「げにや數ならぬ身ほどの山の奥に來て 人は知らじとうちとけて 獨り眺むるもみぢ葉の 色見えけるか如何にせん」とある。]

