野の羊へ 大手拓次
野の羊へ
野をひそひそとあゆんでゆく羊の群よ、
やさしげに湖上の夕月を眺めて
嘆息をもらすのは、
なんといふ瞑合をわたしの心にもつてくるだらう。
紫の角を持つた羊のむれ、
跳ねよ、跳ねよ、
夕月はめぐみをこぼす…………
わたし達すてられた魂のうへに。
[やぶちゃん注:「瞑合」は「みやうがふ(みょうごう)」で、恐らくは、知らず知らず一つになることという「冥合」の謂いであろう。]
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野の羊へ
野をひそひそとあゆんでゆく羊の群よ、
やさしげに湖上の夕月を眺めて
嘆息をもらすのは、
なんといふ瞑合をわたしの心にもつてくるだらう。
紫の角を持つた羊のむれ、
跳ねよ、跳ねよ、
夕月はめぐみをこぼす…………
わたし達すてられた魂のうへに。
[やぶちゃん注:「瞑合」は「みやうがふ(みょうごう)」で、恐らくは、知らず知らず一つになることという「冥合」の謂いであろう。]