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2013/03/08

鬼城句集 春之部 天文

  天文

 

霞    榛名山大霞して眞晝かな

     石ころも霞みてをかし垣の下

     郵便夫同じところで日々霞む

     野に出でゝ霞む善男善女かな

     夕霞鳥烏のかへる國遠し

     落る日に山家さみしくかすみけり

春雨   春雨や拜殿でする宮普請

     春の雨かはるがはるに寐たりけり

     [やぶちゃん注:底本では「かはるがはる」

      の後半は踊り字「〲」。]

     新しき蒲團に聽くや春の雨

     春雨や音させてゐる舟大工

     春雨やたしかに見たる石の精

     桵の木の刺もぬれけり春の雨

     [やぶちゃん注:「桵」は「たら」。双子葉植

      物綱セリ目ウコギ科タラノキ Aralia elata

      のこと。]

     春の雨藁家ふきかへて住みにけり

     慈恩寺の鐘とこそ聽け春の雨

     [やぶちゃん注:この「慈恩寺」は白居易の

      「三月三十日題慈恩寺」などを想起したも

      のと思われる。]

陽炎   陽炎や鵜を休めたる籠の土

春雷   春雷にお能始まる御殿かな

春の雪  春の雪麥畑の主よく起きぬ

     春雪にしばらくありぬ松の影

     [やぶちゃん注:底本では「し」は「志」を

      崩した草書体表記である。]

東風   門を出づれば東風吹き送る山遠し

春の月  春月に木登りするや童達

     誰れ待ちて容す春の月

     [やぶちゃん注:「容す」は「すがたかたち

      す」と訓じているか。]

     米搗に大なり春の月のぼる

殘雪   谷底に雪一塊の白さかな

     熊笹の中に雪ある山路かな

風光る   送別

     新しき笠のあるじに風光れ

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