一言芳談 一三五
一三五
又云、僞らざる心をもて、佛の本願を信じて、まさに往生せんと思ふ、これを三心(さんじん)といふなり。
○僞らざる心、至誠心(しじやうしん)。
〇佛の本願を信じて、深心(しんじん)。
〇往生せんと思ふ、回向心(ゑかうしん)。これが横(わう)の三心なり。
[やぶちゃん注:標注は底本では一行に書かれているが、三分割した。
「三心」既に「二十八」「三十七」「一二二」「一二四」の本文に出、注もしてきた最後に再注する。念仏信仰で浄土に生れるための至誠心・深心(しんじん)・回向発願心(えこうほつがんしん)の三つの信心(安心(あんじん)とも)を指す。「至誠心」とは誠心を以って素直に阿弥陀仏の「誠心」を受け止める心、「深心」は己の凡夫たることを知り(機の信心)、弥陀の四十八誓願の教えを深く信ずること(法の信心)。「回向発願心」は以上を得て、阿弥陀仏と向き合って自らの極楽往生への願を発すること。
「横」横超(おうちょう)。阿弥陀仏の本願力によって迷いの世界を一瞬に跳び超え、浄土へと往生すること。現在では特に浄土真宗で他力浄土門の中の絶対他力の教えを指す言葉として使われる。]

